ネット上で男女が出会うマッチングアプリは、すっかり一般化された感じがします。
これによって、交際したり結婚したりするカップルも増えてきました。
「マッチングアプリなび」という調査では、日本に住んでいる20〜39歳の男女200人を対象に調査が行われました。
その結果、マッチングアプリを利用したことがある男性は40%、女性も4人に1人が使用しているという結果が出ました。
注目すべきは、実際に恋愛対象の人と出会えたかどうかですが、男性ユーザーの70%、女性ユーザーの70%以上が「出会えた」と回答していました。
しかし、男性のうち交際に至ったのは20.9%で、結婚まで進んだのは2.3%でした。女性も20.4%が交際し、2%が結婚していました。
これは「出会い」が目的のアプリです。
利用する際にはリスクも覚悟する必要があります。
「なぜか9割の女性が知らない婚活のオキテ」という本の著者であり婚活アドバイザーである植草美幸氏は、
「男女ともにネットでの出会いはウソが多いです。1年間取材を行いましたが、友だちが多い、見た目が◯◯に似ている、ステータスのある仕事に就いているなど、現実世界とは異なる情報が書かれていてトラブルになるケースも多く見受けられました。最悪の場合、相手が実は既婚者であり、責任を取ってくれないこともあります。また、相手が不動産業者で、新居用にマンションを買わされるという話も聞きました。多くの人から相談を受けています」
と語っています。
使いやすさは向上して出会うことはできるようになりましたが、利用者の信頼度はまだまだ低いようです。
結婚相談所とマッチングアプリをどう使い分けるか、婚活を真剣に考えている人もいるでしょう。
ここ数年、婚活市場のシェアを急拡大させているのが、SNSを利用した婚活マッチングアプリです。
要するに、この婚活アプリは安全だと言える出会い系サイトです。
運営会社は利用者のプロフィールにウソがないかを証明書等でチェックし、怪しげな出会い系サイトと比べると安心感があります」と、ブライダル業界関係者は語っています。
一方、大手の「結婚相談所」では初期費用として入会金などを含めて十数万円、さらに月会費が1万5000円程度かかります。
婚活アプリの月会費は女性が基本無料であり、男性の相場は3000~4000円と格安です。
そのため、利用者数が急増しています。
国内最大級のマッチングアプリ「ペアーズ」は、フェイスブックを利用し、累計会員数450万人以上を誇っています。
一方、「楽天オーネット」は結婚相談所の大手で、会員数は約4万6600人です。
ペアーズを運営するエウレカの売り上げは、2010年5月期に5500万円だったのが、15年には50億円と急成長を遂げました。一方、結婚相談所の大手であるツヴァイ(16年2月期約39億円)は利用者の未来よりも結婚相談所の未来が心配だと経済ジャーナリストの岩波拓哉氏は述べています。
「結婚でもという“ビギナー”は婚活アプリ、本気で結婚を考えている人は結婚相談所と、それぞれのニーズが分かれているからです。ペアーズの累計マッチング数は延べ2700万組といいますが、昨年の全国の婚姻数は約62万組。 婚活アプリでマッチングしたからといって即結婚に結びつかないことは、明らかです。一方、結婚相談所では会員同士の本気度が高いため、成婚率が高いのです」
とのことです。オーネットの会員数は約4万6600人で、その中での成婚退会者数は約5000人となっており、約2500組の人々がゴールインしました。単純計算で成婚率は約11%となります。
「婚活アプリでうまくいかなかった人が、結婚相談所へと流れるケースもあります」。
婚活アプリの活況は、むしろ結婚相談所の追い風になるかもしれません。