「お金を稼ぐ」ということは、それほど見下されるべき行為なのでしょうか?
ある大学のオープンキャンパスで、経済学部の教授が言った言葉があります。
「この場にお金が好きな人はいますか?」教室は静まり返り、数人がおずおずと手を挙げると、教授は意気揚々と言ったそうです。
「お金が嫌いな人はどうぞ退出してください。私は大好きですから!」
私の友人が聞いた話ですが、友人自身が気づかずにかかっていた「お金の呪い」に衝撃を受けたと言っていたのです。
お金にも呪いがかかっているのかもしれません。
「お金を稼ぐことは卑しい」という考え方が古くから存在しているからです。
江戸時代の身分制度が「士農工商」とされているように、商人はお金を稼ぐことで最下位に位置づけられていました(正確には、その下にさらに賎民とされた人たちがいました)。
農民や職人のように農作物を育てたりものづくりをするよりも下の存在だったのです。
私の場合、子供の頃から大人たちから「お金がない」という言葉を耳にしてきました。
両親だけでなく、私が接する大人たち全員の口癖でした。
これにはだんだんと腹が立ち、「自分だけは絶対にお金がないとは言わない」と小学生になった頃に心に決めました。
そして、ひたすらお金を貯めるようになりましたが、貯金が増えていくうちに不思議なことに気づきました。
私の中でお金そのものが好きになっていたのです。
「お金の呪い」という現象について考えてみましょう。
この現象は、人々がお金を使いすぎているために起こるものです。
なぜお金を使いすぎるのかというと、人々は何度もお金を使っているうちに、お金に対して好感情を抱くようになるからです。
しかし、私はお金を使わずに生活することを心掛けていたため、お金が手元に残りやすかったのです。
結果として、私はお札をたくさん触る機会があり、お金が好きになりました。
ただし、私が好きになったのは「お金そのもの」ではなく、「お金を使うこと」です。
現在、キャッシュレス化が進んでいることもあり、お金が好きな人は減っていると予測されます。
また、電子マネーやクレジットカードを使うと、具体的な金額がイメージしにくくなるため、ついつい使いすぎてしまいます。
もし、お金の呪いにかかってお金が嫌いなままだと、浪費がますます深刻化する可能性があります。
ですから、呪いを解いてお金を好きになり、お金と仲良くなることをおすすめします。
具体的には、「稼ぐ体験」をしてみることが重要です。
現代の給与所得者は9割を占めており、お金を稼ぐ経験をしたことがある人は少ないでしょう。
しかし、お金を稼ぐことに対する心理的な障壁がある方も多いと考えられます。
ですが、この障壁を取り除くのは簡単です。先ほど述べたように、現金を触るだけでお金に好感情を抱けるようになります。
また、「稼ぐのは卑しい」という考えにも簡単に変えることができます。自分自身で、例えばメルカリで不要品を売ることから始めてみるのもいいでしょう。
他にも、手芸などで商品を作り、ネットショップで販売することもあります。
占いに詳しいなら、フリーマーケットに出展して占いのお店を出してみることもできます。
現在は、さまざまな方法で稼ぐことができます。
お金を好きになり、お金と仲良くなることは、健全な経済活動を行うためにも大切ですので、ぜひ試してみてください。
もしもちょっとした挑戦を何回か試みてみることができれば、「お金を稼ぐとはこんな感じなのか」ということが実際の体験から理解できます。
このような経験を積むことによって、稼ぐことに対する抵抗感は直ぐに解消され、むしろ面白さを感じる方も多いかもしれません。
現代では、会社員や公務員のように雇用される側の人が多く、自分自身でお金を稼いだ経験を持つ人は少ないため、このような経験は非常に貴重です。