路上生活者のテントや小屋には、自家発電機やアンテナなどの設備があります。
彼らの生活水準を維持するためには、ある程度の収入が必要です。
多摩川沿いに住む40代のホームレス、Aさんは、ごみ捨て場を回って収入を得ています。
主な収入源はアルミ缶やアダプターの銅線、そして解体された自転車です。
これらだけでも月に約10万円ほどの収入になります。
最近はスマートフォンにも注目しています。中古のスマートフォンを約7000円で買い取ってもらえるそうです。
一方、ノートパソコンの買取価格は下がっているそうで、Windows7のサポート終了の影響もあるそうです。
以前は1台3000円で買い取ってもらえたのが、今ではたったの700円になってしまったそうです。
Aさんの家では、秋葉原で購入したソーラーパネルを使って発電しています。
自炊にはカセットコンロを利用し、水道は近くの水飲み場から汲んできています。水道光熱費はほぼゼロで、久保さんは月の稼ぎのほとんどを自由に使えるそうです。
では、そのお金はどう使っているのでしょうか?
Aさん
「たばこと食費に全て使ってしまいますよ。ファストフードやコンビニのお弁当は食べません。肉もあまり食べませんし、お酒もしません。体に悪いからですね」
たばこについては、相棒のような存在だから手放せないそうです。
最近の夕食のお気に入りは、鶏肉でとった出し汁で野菜を湯がいてゆずポン酢で頂くことだそうです。鶏肉自体は食べずに捨ててしまうんですけどね。
Aさん
「ただし、これはあくまで出汁用として使います。これが絶品なんですよ」
野菜だけを食べて肉を捨てる。
この食事は、非常に贅沢といえるでしょう。
そして、私たちは買い物を終えて帰宅する途中に、仮名である60代のホームレスであるBさんにインタビューする機会を得ました。Bさんは13年間ホームレスの生活を続けていると言います。
Bさん
「今からホームレス仲間との飲み会に行くんです」
と言いながら、スーパーマーケットの袋には辛子明太子、1.5リットルのジュースが2本、ビールが7本、そしておつまみが少々入っていました。
彼の年収はなんと300万円近くにもなるというのです。
Bさん
ごみの回収日には、他のホームレスと一緒にごみ捨て場を回ることがあります。 ただし、いくつか気をつけなければならないことがあります。 まず、ごみ捨て場に行く時間です。 早すぎると、ほとんどごみがないため捨てるものが少なくなりますし、遅すぎると他のホームレスに先を越されてしまいます。また、ファミリー層が多い場所と独身の社会人が多い場所では、ごみが集まる時間帯が異なることもあります。 これらのことは、経験が重要だと言えますね。
次に、エリアの選択も重要だと彼は言います。
ホームレスたちは、それぞれ独自の方法で収入を得ています。
Bさん
たとえば、田園調布などは、昔ながらの裕福な人々が住んでいる地域ですが、意外にも高価なごみにはあまり出くわさないんです。本当のお金持ちって、慎重なんですね。逆に、狙うべきエリアは、馬込周辺の新興住宅地や、中流階級よりも少し所得の低い人々が多く住んでいる川崎市の幸区などです。こうした場所には、消費癖がある人や成金体質の人々が多く、貴金属や高級ブランドの指輪や時計などを平気で捨てることがあります。運が良ければ、金や貴重な品物を手に入れることもあります。まあ、それは稀な話ですが、月収80万円くらいになったこともありました。そして、マンションには専用のごみ捨て場が設けられています。住民は回収日に関係なくごみを捨てることができるのです。
ホームレスの収入源としては、ごみやリサイクル品が重要な役割を果たしています。
ただし、その収入は決して安定したものではなく、生活が厳しい現実もあることを忘れてはいけません。彼らが辛い状況から抜け出し、再び社会に復帰できるような支援や制度の充実が求められています。
Bさん
もし私が立派なマンションを見つけたら、ごみ捨て場を管理している方々と親しくなるように気をつけます。特別に彼らがカギを開けてくれたり、中を案内してくれることもあるからですね
例えば、ごみをお金に変えるためには、お金のにおいを嗅ぎつける嗅覚が必要と言われています。
ただ単にごみを拾えば良いというわけではありません。嗅覚の優れた能力が、ホームレスの生存戦略の一環となるようです。